
gooodoffice新橋(堀ビル)にて、竹中工務店様とクラフティングジャパン様の共催で『時を超えて受け継がれる価値』と題し、ワークショップとトークセッションを開催しました。今回は、第一部『金継ぎワークショップ』の様子をレポートします。
- テクスト:嶋川慧 / SHIMAKAWA KEI

『時を超えて受け継がれる価値』と題して開催された今回のイベントは、築90年の堀ビル(goodoffice新橋)にぴったりなイベントとなりました。

今回のワークショップの講師となったのは、モダン金継ぎのや陶芸家としても活動されている鴨下知美さん。国内外で活躍されている方なんだとか!

まずは金継ぎの歴史や特徴について学ぶセッションです。 日本人の“モノを修理して大切に長く愛用する文化”を再認識しました。

会場に来てくださった皆様も、金継ぎの方法に興味津々です。

さていよいよ金継ぎを施しに堀ビル3階にやってきました。 今回は堀ビルの『床タイル』に直接金継ぎを施します。

このようにひびが入ってしまっている部分を補強していくのです。

まずは先生に説明を受けながら、自分が補修したいひびを選びます。

場所が決ったらまずは汚れをふき取り、ひびに沿ってマスキングテープを貼ります。

補修箇所が綺麗な状態になったら、次は粘土を練って指で少しずつ入れ込みます。

この粘土は金を乗せる土台となるので、地味ですがとても大事な作業です。


次はひびからはみ出した余分な粘土を削る作業です。 これが意外と難しい。粘土が乾く前に素早く削らないと粘土が固まってしまうんです。 ヘラやカッター、やすりを上手に使って削っていきます。

粘土が固まれば、ようやく金を乗せる工程です。 漆と金を筆で混ぜると、艶やかな金が出来上がります。

金を筆にとって、少しずつ乗せていきます。 繊細な作業に思わず見ている私まで息を止めてしまいました。



皆さんものすごい集中力で作業を進めてくださりました!

金が乾けば完成です。今回乗せた金が、タイルを縁どる金のフレームとも合っていてとても美しいですよね。

大きなひびもこの通り。重厚さのある堀ビルにもぴったりな格好いい仕上がりです。 『手を加えてより美しく。』鴨下先生の仰っていたことが思い出されます。
堀商店からシェアオフィスへ生まれかわった堀ビル。これからも、長くたくさんの人に愛される建物となるようなイベントを開催できるといいなと思いました。